Airbnb Japan公共政策の取り組み | 2025年12月
“新潮流”から考える万博後の大阪~観光・まちづくりによる地域活性化~
大阪市商店会総連盟・Airbnb Japan共同勉強会レポート
大阪市商店会総連盟・Airbnb Japan共同勉強会レポート

2025年の大阪・関西万博は、大阪に大きな来訪者増をもたらしました。この経験を通じて、万博の成功を一過性のものに留めず地域全体の経済活性化につなげるには、観光インフラである交通・宿泊・飲食業界の連携強化が欠かせません。まち全体でお客様を迎える体制へと進化し、既存の地域資源を新たな体験として磨き上げる——そうした観光の質的転換の必要性が高まっています。大阪市内にある約460の商店街も、そうした可能性を秘めた地域資源の一つです。そこでAirbnb Japanは、大阪市商店会総連盟、大阪商工会議所と連携し、商店街に「国内外の旅行者を迎える朝の食卓」という新たな役割を持たせるべく、2025年4月より「OSAKA MORNING ~商店街で朝食を~」プロジェクトを始動。民泊ゲストを朝の商店街へ誘客することで、観光客の分散化と地域内での回遊性向上を目指し、取り組みを進めています。このプロジェクトを通じた連携をきっかけに、2025年12月3日、大阪市商店会総連盟とAirbnb Japanは、自治体関係者や観光事業者などを対象に、「“新潮流”から考える万博後の大阪~観光・まちづくりによる地域活性化」をテーマとした共同勉強会を開催しました。当日は、近畿大学経営学部教授・高橋一夫氏による「稼ぐ観光」への転換を説く基調講演に続き、食(大阪外食産業協会)・交通(大阪メトロ)・宿泊(Airbnb)の各リーダーが万博に向けた事例を紹介。さらに最後は、Airbnbスーパーホストで大阪市内で民泊施設を運営されている笹田翔氏を交えたトークセッションを行い、インバウンド対応のリアルな課題や分野横断的な連携の可能性について、熱のこもった議論が交わされました。
主催者挨拶
「商店街がまちを支えている」という誇りと、変化への覚悟

大阪市商店会総連盟理事長
千田忠司氏
会場となったホテルロイヤルクラシック大阪には、大阪府内の各商店街代表者をはじめ、自治体関係者や観光事業者など約60名が来場しました。開会の挨拶に立ったのは、主催者を代表する大阪市商店会総連盟理事長・千田忠司氏です。千田氏は冒頭、Airbnb Japanとの連携について「『地域の日常』を求めるゲストにとって、商店街にある大阪の色や商い、温かさこそが、かけがえのないお土産になるはずです」と、両者の親和性の高さを語りました。その想いは「OSAKA MORNING~ 商店街で朝食を~」プロジェクトで結実しています。これまで「インバウンドとは縁遠い」と感じていた店主から「スマホを見てわざわざ来てくれた」と喜びの声が上がるなど、デジタルの力が街の賑わいを変えつつある手応えを示しました。一方で、現場が抱える人手不足や賃上げなどの課題にも触れ、「日本が世界に誇る安心・安全なまちは、ここにいる商店街の皆さんが支えている」と地域インフラとしての誇りを滲ませました。その上で、千田氏は参加者にこう呼びかけます。「世の中は変わっていきます。本日は各分野から専門家にお越しいただいています。ぜひここで『新しい観光のトレンド』を吸収し、我々も前に進まなければならない」。商店街の枠にとらわれず広い視野で学び、ヒントを持ち帰ってほしい——会場の士気を高める力強い言葉で、勉強会の幕が開きました。
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数字で見る万博前後の変化
特筆すべきは、従来の成長軌道を大きく上回る「約300万人」の急増です。万博は大阪にかつてない規模の人流を生み出しました。重要なのは、この一時的な特需を「一過性の祭り」で終わらせず、いかに地域の観光資源(商店街や民泊)へと還流させ、次なるリピーターにつなげられるかです。
出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計」×観光庁 「インバウンド消費動向調査 (都道府県別訪問率)」をもとに大阪観光局が算出 | 2024年(万博前) | 2025年(万博後) 2025年(万博後) |
|---|---|---|
訪日外国人旅行者数(大阪府) | 1459.1万人 | 1760.4万人 |
出典:大阪・関西万博 来場者輸送実績報告書 | 万博 累計来場者数 | うち海外来場者数 |
|---|---|---|
2025年 大阪・関西万博の実績 | 約2,902万人 | 約200万人 |
基調講演
「住んでよし、訪れてよし」に加えるべき、もう一つの視点「稼いでよし」

近畿大学経営学部教授
高橋一夫氏
観光マーケティングや地域ブランドを専門とする近畿大学経営学部教授・高橋一夫氏は、これからの観光地経営において「稼ぐ力(地域内循環)」こそが持続可能性の鍵であると提言。従来からの観光資源頼みではなく、「地域の日常」そのものをコンテンツ化する視点の転換や、IR・夢洲を起点とした広域送客(ハブ機能)、さらには大阪特有の「規制緩和」を活かした攻めのまちづくりまで。万博後の大阪が目指すべき具体的なロードマップが提示されました。
詳細はこちらケーススタディ
「食」「交通」「宿泊」の各分野を牽引するリーダーが登壇し取組事例を紹介。万博での成功を一過性のものにせず、大阪市内の経済効果へと波及させるための具体的な戦略と成果が報告されました。

一般社団法人大阪外食産業協会 会長株式会社千房ホールディングス 代表取締役社長
一般社団法人大阪外食産業協会会長株式会社千房ホールディングス代表取締役社長
中井貫二氏
【食】体験価値とデジタル施策を掛け合わせ、万博会場から実店舗への送客と過去最高売上を実現した千房の事例。


大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ) 執行役員
大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ)執行役員
林貴子氏
【交通】「e METRO」構想を掲げ、顔認証やオンデマンドバス、自動運転技術で24時間稼働の「国際都市・大阪」を目指す大阪メトロの挑戦。

Airbnb Japan株式会社 公共政策本部長
Airbnb Japan株式会社公共政策本部長
大屋智浩氏
【宿泊】民泊ゲストの「朝食ニーズ」と商店街をマッチングさせ、デジタルとリアルを融合した発信で分散観光を実現したAirbnbと大阪市商店会総連盟・大阪商工会議所のプロジェクト。
トークセッション
業界の壁を越えて見えた、大阪観光の新たな可能性
業界の壁を越えて見えた、大阪観光の新たな可能性

「『食』『交通』『宿泊』領域と観光・まちづくり、今後の地域活性化を考える」をテーマに、現場最前線のスーパーホスト・笹田氏を交え、多角的な視点から意見が交わされました。「新しいものをつくるな、今ある価値を掘れ」という提言を皮切りに、海外ゲストが求めるディープな体験と、それを阻む「予約の壁」というリアルな課題が浮き彫りに。 外食トップが説く「マインドセットの変革」と、交通事業者が描く「24時間稼働の国際都市」構想が交差する中、AI時代だからこそ武器になる「人の熱量」とは?大阪観光の次なる勝ち筋を、本音の議論から紐解きます。
トークセッションの詳細はこちら参加者の声
勉強会終了後、参加者の皆様を対象にアンケート調査を実施し、勉強会の内容や今後の期待について貴重なご意見を伺うことができました。
アンケート回答者の67%が「とても面白かった」と好評、76%が次回の勉強会への参加希望をいただきました。特に印象に残った内容として、81%の回答者が高橋教授の基調講演を挙げており、観光における「稼ぐ力」という新しい視点が、多くの参加者にとって示唆に富むものであったことが伺えます。

また、「食・交通・宿泊のミックスが良かった」「いろいろなアングルの話が聞けた」といった声からは、分野横断的なアプローチが高評価。トークセッションでは「インバウンドの現在の課題を生の意見として聞けた」という声もあり、実務者の経験に基づいた議論がご参加の皆さまの関心を集めたようです。
一方で、「時間が足りなかった」「次回はミナミの話も聞いてみたい」といった意見や具体的な要望も寄せられ、継続的な学びの場への期待が高まっていることが伺えました。Airbnbは、今後も大阪の地域の皆様と、地域の安心安全と発展に向けて、連携を続けて参ります。
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お問い合わせ
Airbnb Japanの公共政策チームへのお問い合わせは、下記までご連絡ください。Airbnb Japan 株式会社 公共政策本部pjapan@airbnb.com
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